『犬は子をどのように育てるか』

 

 

以前、Facebookページでは紹介したことがある本ですが、こちらでも。

https://www.facebook.com/dog.nuzzle/

 

『犬は子をどのように育てるか ある児童臨床心理家の母と子の「ふれあい」の記録

(森永良子 動物社 1990年)

 

 

この本は、伊豆逓信病院の小児リハビリテーション科に勤務されていた著者が、

狭いケージの中で実験用に飼育されていた犬たちを、運動場に出して群れとしての様子を観察したり、母子分離の観察実験をした記録が書かれています。

 

 

具体的には、

・人為的に集められた犬がどのように群れを作っていくか

・人に対して不信感を持っていてケージから出るのを拒否し、攻撃性を見せる犬が、人に対して心を開き、その後群れの中に入っていくまでの様子

・母子隔離実験と、その後子犬が群れの中に戻ったときの様子

・障害を持った子犬を育てる母犬

・群れのなかでの子殺し

などです。

 

 

・人為的に集められた犬がどのような群れを作っていくか

この本では、寄せ集められた犬たちが一つの運動場に出されることで次第に群れとしてのルールが作られる過程として参考になると思います。

人為的に集められたオオカミではなく、人為的に集められ、人の介入が少ない場合、犬がどういう群れを作るのかということは興味深いです。

 

 ❝私たちが日頃みる犬は、一匹一匹が”人対犬”というかたちで生活しています。動物舎にいる犬たちの先代、先々代も、それぞれ、人と一緒に生活してきたのでしょう。

 その犬たちが、群れをつくり、犬の”社会”をつくりました。それは、人対犬として見る犬と、たいへん違った犬たちでした。❞

『犬は子をどのように育てるか ある児童臨床心理家の母と子の「ふれあい」の記録

(森永良子 動物社 1990年)

 

 

・人に対して不信感を持っていてケージから出るのを拒否し、攻撃性を見せる犬が、人に対して心を開き、その後群れの中に入っていくまでの様子

人に対して不信感を持っていて個別ケージから出て来ないうえ威嚇してくる「ガン」という犬が、人に対して心を開くまで、そして他犬との触れあいも拒否していた「ガン」が群れの中に入っていくまでのことが書かれています。

かかった期間は8カ月、著者がどういう方法で信頼関係を築いていったかは参考になるところと思います。

 

 

・母子隔離実験と、その後子犬が群れの中に戻ったときの様子

複数の子犬を母犬から隔離し、その後また母犬のところに戻すという実験です。

離された期間はそれぞれで、

生後12日~3週間、生後3週間~8週間、生後3週間~6ヶ月

です。

母犬から離された犬が、群れのなかでどのような振る舞いをするのかということが書かれています。早期に母犬から離してしまうことが、犬を本来の犬として育てなくさせているということを考えると、まだ母犬が必要な時期にペットショップに陳列されてしまうという現実はやっぱり良くないと思いますし、幼犬期に関わるブリーダーさんなどの役割が特に重要なのだと思います。

 

  

内容的には参考になる部分が多くあります。

ちょっとショッキングな内容もあったりするのですべての方にはおすすめできませんが、犬に関わっている方には一度読んでいただきたいなと思っています。

 

あと、僕自身は動物実験には反対の立場ですし、現在は倫理的に許されるのかという疑問も出てくると思います。

ですが、実際にこういった実験を行ってみたという情報があるのですから、それを無かったことにするのではなく、今現在育てている犬のために有効に活用させていただくことが大切なことなのではないかなと僕は考えています。

ハーロウの母性剥奪実験やアルバート坊やの恐怖条件づけのようにですね。

 

 

本当は一つ一つ細かく引用して、考えたことをお伝えしたいということもあるのですが、

僕が書くよりも、ぜひ本を手に取って読んで考える際の参考にしていただければと思います。

※中古本が残っているうちにどうぞ。

 

https://www.amazon.co.jp/犬は子をどのように育てるか―ある児童臨床心理家の母と子の「ふれあい」の記録-森永-良子/dp/4886224148

 

 

ランキングに参加しています。

どうぞよろしくお願いします。

にほんブログ村 犬ブログ 犬 訓練士・ドッグトレーナーへ
にほんブログ村


人気ブログランキング