マルトリートメント

 

 

マルトリートメントという言葉をご存知でしょうか?

(と言っても僕が知ったのも昨年なんですが・・・。)

 

 ・マルトリートメント

マルトリートメント(maltreatment)は、日本語では「不適切な養育」となります。

この「不適切な養育」を受けることによって子どもの脳の発達に影響を与える、という研究結果が出ています。

また、「不適切な養育」によって愛着の形成が妨げられてしまったり、不健全な愛着が形成されてしまったりすることによって、その子の精神にも影響を与えてしまいます。

 

 

”行為が、軽かろうが弱かろうが、子どものためだと思ってした行為であろうがなかろうが、傷つける意志があろうがなかろうが、子どもが傷つく行為は、すべて「マルトリートメント」です。”

『子どもの脳を傷つける親たち』

(友田明美 NHK出版新書 2017年)

 

 

虐待という言葉を聞けば「いけないことだ」という認識をされる方は多いと思いますが、「しつけのための体罰や無視は虐待ではない」とか、「虐待というほどまでしてはいない」というように正当化されてしまうということもあります。

 

ただ、虐待かどうかということを決めるのは、受け手側だということを理解しておかないといけません。(いじめ問題も同じですよね。)

 

また、友田先生は日々の子育ての中にも「不適切な養育」が含まれていることもあるので「虐待」という言葉ではなく「マルトリートメント」という言葉で表現されています。

「あなたがやっていることは虐待だ」と突きつけて親を追い込むのではなく、

まずは「不適切な養育」がどんなものかを知り、自分がやってきたことを素直に認め、そこからどう行動を改善していくかが大事ということですね。

 

 

 

・犬のしつけとマルトリートメント

この本の中では、マルトリートメントを

「身体的」、「性的」、「ネグレクト」、「精神的」

の4つに分けて説明されています。

 

犬のしつけではどうかというと、「性的マルトリートメント」に関してはちょっとわかりませんが、「身体的マルトリートメント」、「ネグレクト」、「心理的・精神的マルトリートメント」はやはり同じような問題が起こっているなと感じています。

むしろ、犬の方が日常的にやられている場合がありますね。

しつけ本の中や服従訓練、ドッグトレーニングというものの中に紛れ込んでしまっているからです。

 

問題行動の解決方法に体罰的なものを使うということもありますが、ネグレクト(育児放棄)にあたるしつけが多くありますよね。

「○○には無視」ということです。

褒めてしつけるというしつけ方法にもよく出てくるので試している方も多くいらっしゃると思いますが、それだけをしているという場合だと犬の気持ちを受けとめていないんです。

「寂しい」、「そばにいて欲しい」、「かまって欲しい」、「一緒にいたい」という行動に対して無視をすることで、その子の気持ちはどんなものになるのかということを考えてあげて欲しいと思います。

 

意識していないマルトリートメントとしては、

家の中で日常的にサークルに入れておくとか、

触れ合いの時間が少なすぎたり

等ですね。

 

犬がかまって欲しいと感じているときに、同じ部屋にいるにもかかわらず飼い主さんが全然意識を向けてくれないという状況は、その子をいないものとして見ているという状況に近いのではないでしょうか。

もパソコンに向かっていることが多いので気になるところですが、犬の気持ちを受けとることが愛着形成のために不可欠ですから意識して関わってあげたいですね。

 

 

こういった本を読むときには、人間の子どもと犬を分けて考えるのではなく、「犬で考えるとしたら、どういうことが不適切な養育にあたるのだろう」と考えながら読んでいただければ良いなと思います。

 

 

 

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