愛着(ブログ)

愛犬との関係性を見直すために

 

『愛着(アタッチメント)から見直す、犬のしつけ』というタイトルで、

2度セミナーを開催させていただきました。

 

そのなかで、今の犬のしつけの現状についても触れています

 

1、体罰には副作用があるということ

2、体罰の代わりに「無視」とか「隔離(サークルへの閉じ込めや飼い主が部屋から出ていく)」

といった対応を指導されるようになっていること

3、社会的(群れで暮らす)動物であるイヌにとって、無視という行為が「生存の危機」であること

 

暴力を振るわないのだから優しい方法だろうと、

しつけの中で無視ということをすることが、

犬の心にダメージを与えてしまっている可能性がある、

ということも知っていただきたいんですね。

 

愛着形成には双方向のやり取りが必要です。

犬が何かを訴えているときには、そこを無視するのではなく

まずは受け取ってあげることが大切です。

要求吠えが酷くなるのも、

「要求に応えると吠えが酷くなるから」という指導を守ろうとすることで、

(ワン!)「無視・・・」、

(ワン!ワン!)「無視・・・」、

(ワン!ワン!ワン!)「わかった、わかった(と要求をきく)」

というように逆に吠えを酷くしてしまっていたりします。

 

「お母さん聞いて!ねえ!聞いてよ!」

と話かけて無視されている子どものようなものです。

そのうち、相手にしてもらえないと

感情を閉ざしてしまうかもしれません。

 

いままでさんざん無視をしてしまったから、

もう愛着は形成できないのではないかと不安になってしまう方も

いらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。

 

関係性というのはいつでもやり直しがききます。

ただし、相手に変わってもらおうとするのではなく、

まずは飼い主さんが対応を変えていくことが大切です。

 

具体的に何をすれば良いか。

それは、「犬の要求にすぐに応じる」ということです。

 

・外出帰宅時には無視せず挨拶する

・撫でてと近づいてきたら無条件で(何の指示も出さずに)撫でてあげる

・お散歩ではニオイ嗅ぎをさせる

・無理のない範囲で、愛犬の行きたい方へついて行く

・すでに嫌になってしまっていることを一度止めてみる

 または、できる限りしないようにする

 

今まで、愛犬の伝えたいことを聞いてこなかった、

応えてあげなかったのであれば、

まずは、無条件で応えてあげましょう。

要求に応えたからと言って、犬が偉くなるということはないですからね。

 

その後、関係が変わってきたなと感じたときに

少しずつ必要なことを教えていってあげてください。

 

いつも暮らしている飼い主さんが、

毎日よく関わってあげているのであれば、

「あの子最近変わったな」と思うときがあるはずですから。

 

 

 

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『犬は子をどのように育てるか』

 

 

以前、Facebookページでは紹介したことがある本ですが、こちらでも。

https://www.facebook.com/dog.nuzzle/

 

『犬は子をどのように育てるか ある児童臨床心理家の母と子の「ふれあい」の記録

(森永良子 動物社 1990年)

 

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マルトリートメント

 

 

マルトリートメントという言葉をご存知でしょうか?

(と言っても僕が知ったのも昨年なんですが・・・。)

 

 ・マルトリートメント

マルトリートメント(maltreatment)は、日本語では「不適切な養育」となります。

この「不適切な養育」を受けることによって子どもの脳の発達に影響を与える、という研究結果が出ています。

また、「不適切な養育」によって愛着の形成が妨げられてしまったり、不健全な愛着が形成されてしまったりすることによって、その子の精神にも影響を与えてしまいます。

 

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愛着と探索行動

 

・探索行動

子どもの成長過程には、養育者から物理的・心理的に離れて、周囲の環境に興味を向け調べるという探索行動がとても重要です。

探索行動はまず家の中で、それから外の環境に移行していきます。

 

愛着(アタッチメント)が形成され養育者(親、母犬や飼い主)が子ども(犬)にとっての「安全基地」として機能するようになれば、「何かあれば助けてくれる」、「少し離れていても急にいなくなったりしない」と思えるようになり、安心して探索行動(周囲の環境などを調べる)が出来るようになります。

子どもは周囲を調べて怖さや不安を感じたときに、「安全基地」である養育者のところに戻って安心感を得ることを繰り返して、徐々に探索範囲を広げていくことができます。

 

裏を返せば、「安全基地」がなければ「探索行動」ができなくなったり、制限されてしまったりということが起こります。

 

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受けとめることの大切さ

 

愛着が形成されるために大事なことは

・スキンシップなどの触れ合いや遊び

・子どもの欲求を感じ取る感受性

・愛着行動に対しての応答性

などです。

 

こう書くと、同意される方も多いかもしれませんが、

「犬のしつけ」となると正反対のことが言われていたりします。

 

前にも書きましたが、夜鳴きに無視とかですね。

 

他にも、

・家の中では犬は常にハウスに入れておく

・吠えに無視をする

・飛びつきには無視をする

・「おかえり」、「ただいま」の挨拶はしない

・触るのはご褒美になるから、むやみに触らない

・「オスワリ」や「長時間のマテ」など、指示に従ってからでないとおやつをあげてはいけない

・おもちゃは飼い主が管理をする

などが一般的に言われていますね。

 

 

ここでは具体的なしつけの方法の善し悪しには触れませんが、

僕が言いたいこととしては、こういったしつけ方法は犬の気持ちを受けとめていない方法だということなんです。

 

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親が子に与える影響

 

僕が愛着や愛着理論から犬との関係を考えてみようと思ったのは、飼い主と犬が親子としての関係に近いということもあるのですが、もう一つ別の理由があります。

 

それは、しつけ方法を選択するときに「飼い主さん自身が親にどう育てられてきたのか」ということがひとつの基準になるのではないかと感じたからです。

 

 

”「この世界」の心理システムは親子関係からでき上がる。その頂点に善悪の倫理観がある。小さい頃からずっと一緒にいて、肌で触れ合い、同じものを食べてきた親子。親と一緒に生きることが善であり、そうでないのが悪だ。だから、共通の考えが根づき、同じ価値観を共有し、同じ土台に生きている。”

『子は親を救うために「心の病」になる』

(高橋和巳 ちくま文庫 2014年)

 

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愛ではなく、愛着(アタッチメント)

 

「愛着」という言葉からは、愛情とか愛とかをイメージされる方が多いかもしれないのですが、愛とか愛情という言葉で伝えようとすると、ちょっと誤解を招くというか何と言うか・・・。

愛とか愛情という言葉では「相手に見返りを求める愛」という意味合いにも取れたり、「犬を可愛がっている自分が好き」などの自己愛的な要素が含まれていたりもするのですよね。

 

最近は「信頼関係」という言葉についても考えていたりします。

「信頼関係」という言葉からすると、「こっちは信頼してるんだから、そっちも信頼してよね」という、やっぱり何か見返りを求めてしまう言葉にも受け取れてしまったり。

 

まあ、人それぞれ愛とか信頼に対してイメージは違うと思いますし、正解が何かは分からないんですが、僕は人それぞれに使っている愛とか愛情という言葉が「言うことを聞くなら好きだけど、言うことを聞かないから嫌い」と捨てられてしまったり、「厳しくしつけるのも愛情だ」といって暴力を振るうということにも使われてしまうのではないかな、と考えたりもしています。

 

 

で、「愛着」で考えるということはどういうことかというと、ボウルビィの愛着理論(Attachment Theory)に基づいて犬と関わっていくということなんですね。

 

愛着に基づく関係というのは、養育者が子どもにとっての安全基地になることです。

養育者が子どもの安全基地になることで、初めて子どもは外の世界に興味を持ち「探索行動」ができるようになります。

 

で、安全基地になるにはどうすればよいのかということですが、食べ物をあげているだけではだめで、スキンシップなどの触れ合いであったり、何よりも子どもの愛着行動に応えてあげることが大切になってきます。

愛着が形成されていなかったり、不安定な愛着であったりすると、その後大人になったときにも生きづらさがでてきます。

(動物も人も同じです)

これはハリー・ハーロウの代理母の実験でも証明されていますね。

 

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アタッチメント

 

以前、「飼い主さんが食事中に犬が食べ物をねだるという設定での要求吠え」について書いていましたが、今も少しずつ見ていただけているようでありがたいです。

そこでは「無視をしつづけることは難しい」ということをお伝えしていたのですが、少し違う視点から書いてみようと思います。

 

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